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2024年7月新紙幣発行!知っておきたい紙幣の話

2024年7月3日に新紙幣が発行されます。紙幣のデザインが変わるのは、前回の改刷から約20年ぶりのこと。今回一新されるのは、一万円、五千円、千円の3種類のお札です。

それでは、なぜ新紙幣に変わるのでしょうか。
この記事では、今回紙幣が改刷される理由や新しい紙幣にデザインされるのはどんな人物か、またこれまでの紙幣は使えなくなるのかなど、新紙幣の疑問について紹介していきます。

新紙幣の概要

紙幣の絵柄やデザインを変えることを「改刷」といいます。現在使われている紙幣が発行されたのは2004年で、その20年前の1984年にも肖像や図柄のデザインが変わっています。

私たちが普段意識せずに使っているお札には、さまざまな技術が使われています。今回の改刷では、お札のデザインの変更だけでなく、最新の偽造防止技術やユニバーサルデザインなどが新たに採用されました。

なぜ新紙幣に変わるのか?

なぜ紙幣を改刷するのでしょうか。その最も大きな理由は、紙幣の偽造防止が目的です。実際、警察庁が公表している「偽造通貨の発見枚数」によれば、2019年から2022年の4年間で、8,000枚以上もの偽造された一万円札が発見されています。

偽造されたお札が世の中に出回ってしまうと、お金に対する信用がなくなり、無意識のうちに被害を受けてしまう可能性があります。こうした被害を防止するためにも、定期的に改刷が行われています。

今回の改刷は前回の2004年から20年経っており、その間に民間の印刷技術は大幅な進歩を遂げています。より偽造しにくくするために、様々な工夫や技術が取り入れられています。

さらに、今回ユニバーサルデザインを採用することによって、目の不自由な方や日本語が読めない外国人の方でも紙幣の違いをより判別しやすくなりました。

具体的にどう変わるのか?

では、今回予定されている改刷によって、新紙幣はどのように変わるのでしょうか。
今回の改刷によって変更された部分を以下で紹介します。

新紙幣の肖像画・図柄の変更

一万円、五千円、千円の3種類のお札は、表の肖像画および裏の図柄の変更がありました。以下で、新紙幣と旧紙幣の違いを見てみましょう。

券種 新紙幣 旧紙幣
表(肖像) 裏(図柄) 表(肖像) 裏(図柄)
一万円 渋沢栄一 東京駅

(丸の内駅舎)

福沢諭吉 鳳凰像
五千円 津田梅子 フジ(藤) 樋口一葉 燕子花図
千円 北里柴三郎 富嶽三十六景

(神奈川沖浪裏)

野口英世 富士山と桜

一万円札は「日本近代社会の創造者」といわれる渋沢栄一。生涯において500もの企業設立などにかかわり、産業の育成に貢献しました。

五千円札は、「女子英学塾(現・津田塾大学)の創始者」である津田梅子。近代的な女子高等教育や女性の地位向上に尽力しました。

千円札は、「近代日本医学の父」と呼ばれている北里柴三郎。破傷風血清療法の確立、ペスト菌の発見のほか、伝染病研究所、北里研究所を設立し、後進の育成に尽力しました。

新紙幣の肖像の選定理由について、財務省は、それぞれの分野で傑出した業績を残すとともに、さまざまな面から近代化をリードし、大きく貢献したという理由を挙げ、「三者ともに、日々の生活に欠かせず、私たちが毎日のように手に取り、目にする紙幣の肖像としてふさわしい」との考えから採用したと回答しています。

なお、近代の印刷においては、偽造防止の観点から、なるべく精密な写真を入手できることや、品格のある紙幣にふさわしい肖像であること、肖像の人物が国民各層に広く知られており、その業績が広く認められていること、などの観点を踏まえて、
明治以降の人物から採用しています。

新たな偽造防止技術

今回、新たに取り入れられる偽造防止技術は「高精細すき入れ」と「3Dホログラム」の2つです。

紙をすかしてみたときに現れる模様を「すき入れ」といいます。旧紙幣にもすき入れの技術は使われていましたが、今回新たに高精細なすき入れの技術を採用しました。肖像の周囲を緻密な画線で構成された連続模様が施されているのが新紙幣の特徴です。

また、「3Dホログラム」では、印刷された肖像画が3次元に見えて回転するほか、肖像画以外の図柄も見る角度によって変化します。この3Dホログラムが紙幣に採用されるのは世界初の試みで、最先端の偽造防止技術が用いられています。

ユニバーサルデザイン

ユニバーサルデザインとは、障害の有無や年齢、性別、人種などにかかわらず多様な人々が利用しやすいよう都市や生活環境をデザインする考え方のことをいいます。

誰もが使いやすい紙幣にするために今回採用されたユニバーサルデザイン。ポイントは3つあります。

  • 識別マーク
  • 額面数字の大型化
  • ホログラム・すき入れの形・配置

1つ目は、指で触って券種を識別できるマークです。従来の紙幣よりも触った際にわかりやすい形(11本の斜線)に統一し、券種ごとに位置を変えることで目の不自由な方も券種が識別しやすくなります。

2つ目は、表裏の額面数字が従来の紙幣より大きくなりました。数字の種類は、年齢や国籍を問わず多くの方に馴染みのあるアラビア数字です。日本語が読めない外国人にもわかりやすいデザインに変更されています。

3つ目は、ホログラムとすき入れの形や配置を券種ごとに変えていることです。この2つの位置を変えることで、紙幣の違いが判別しやすいように工夫されています。

参考:新しい日本銀行券特設サイト|国立印刷局

旧紙幣は今まで通り使える?

新紙幣が発行されると、これまで使っていた紙幣はどうなるのでしょうか。

日本銀行では、1885年に第1号の紙幣を発行してから現在まで53種類の紙幣を発行しています。
これらの紙幣のうち、現在発行している種類のほか、すでに発行されなくなった種類を含め、現在、22種類の紙幣が有効です。

紙幣は、法律で無制限の強制適用力があることが定められています。そのため法律上の特別な措置がとられない限り、この通用力を失うことはありません。

まとめ

この記事では、2024年7月3日に発行が決まった新紙幣について紹介しました。今回の改刷では、お札のデザインだけでなく最新の偽造防止技術や、誰もが使いやすいようにユニバーサルデザインが採用されるなどさまざまな工夫が施されています。

なお、今使っているお札については、新紙幣が発行された後も今までどおり使うことができます。

執筆者

辻󠄀田 陽子(MILIZE提携FPサテライト株式会社所属FP)

税理士事務所、金融機関での経験を経て、「好きなときに好きなことをする」ため房総半島へ移住。
移住相談を受けるうちに、それぞれのライフイベントでのお金の不安や悩みがあることを知り、人々がより豊かで自由な人生を送る手助けがしたいと思いFP資格を取得、FPとして活動を始める。
現在は地方で移住や空き家問題に取り組みながら、FPの目線からやりたいことをやる人々を応援中。