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老後資金準備として、NISA?iDeCo?それとも変額保険? あなたにあった方法を選択しよう!

老後の資金問題は現代を生きる幅広い世代にとって、大きな関心の一つではないでしょうか。特に人生100年時代と言われる今の時代は、ライフスタイルがさらに多様化していくことが予想され、様々な変化に対応できるよう自分自身で老後資金を準備することがとても重要です。その準備としておすすめなのが投資です。今回は老後資金準備として、NISA、iDeCo、変額保険のどれが自分に合うのかを選択する方法を紹介します。

老後資金は
しっかりと準備しないといけない

老後資金として真っ先に思い浮かべるのが公的年金です。日本の公的年金保険制度は国民年金と会社員などが加入する厚生年金保険の2階建て構造となっており、令和5年度の公的年金の平均受給額は、国民年金で平均「6万6,250円」厚生年金は標準的なモデル夫婦2人で「22万4,482円」です。一概には言えませんが、意外と貰える年金は少ないと感じる人の方が多いのではないでしょうか。

2022年家計調査報告によると65歳夫婦のみ世帯の月の平均支出は26万8,508円ですので、年金だけを当てにしていると毎月約4万円程の赤字になる事が分かります。

また、このような年金問題に拍車を掛けるように、高齢者人口が年々増加しており、大きな懸念事項になっています。

令和3年度の調査によると65歳以上の人口割合は全体の28.5%となっており、10年前と比べ約5%増加していて、2042年まで増加し続ける事が予測されています。

公的年金の原資は18歳〜64歳までの現役世代が納めている年金保険料のため、高齢者の人口割合が増える事により年金受給者一人当たりの年金額が目減りしていくことは避けられないでしょう。

家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要 (stat.go.jp)

令和5年4月分からの年金額等について|日本年金機構 (nenkin.go.jp) (stat.go.jp)

選択肢は多くある

公的年金だけに頼らず自分の力で老後資金を自分で準備する方法は、資産運用を目的とした投資がおすすめです。その中にも様々な種類がありますので以下を参考にしてください。

〇預金
銀行預金が代表的で銀行口座にお金を預ける事で利息が付く投資方法です。

〇個人年金
私的年金です。個人年金保険などが代表的です。

〇積立保険
支払った保険料の一部を積立や運用に充て、決まった時期にお金が返ってくる貯蓄性のある保険です。

〇NISA
国が作った少額投資非課税制度です。NISA口座内では、株や投資信託など複数の商品を購入でき、運用益が非課税になる特徴があります。

〇iDeCo
個人型確定拠出年金と呼ばれる私的年金の1つです。掛け金は所得控除の税制優遇があり、さらには決まった範囲内であれば運用益も非課税となります。

〇変額保険
支払った保険料を保険会社が、運用を行う投資性の強い保険になります。運用の成果によって受取金額が変動するという特徴があります。

このように、公的年金だけに頼らず投資を利用して老後資金を準備するにあたっては様々な種類があります。

今、注目されているのは?

上述した投資手法の中でも老後資金の準備として注目されているのが、「NISA・iDeCo・変額保険」の三つです。

この三つの資産運用が注目されている理由として挙げられるのが、以下のポイントになります。

・税制的に優遇されている
・少額から始めやすい
・長期投資を前提としており、計画的に老後資金が準備できる

今後、個人で資産運用を行う必要性が益々強くなってくることが予測される中で、このようなポイントを持つ投資手法はおすすめと言えるでしょう。

NISA、iDeCo、変額保険の特徴は?

同じようなポイントを持っている投資手法ですが、特徴はそれぞれ違います。
ライフスタイルや考え方は人によって違いますので、この三つの資産運用の特徴を把握した上で、自分にとって一番合う方法がどれかを見極めるようにして下さい。

NISA

NISAは2014年に国民の意識を「貯蓄から投資」へ向かせる事を目的として、国が作った少額非課税制度で特徴は大きく分けて次になります。

・100円から投資が可能(金融機関によって違いはあります)
・運用益に対しての税金(本来は20.315%)が非課税
・2024年からこれまでのNISAからより良くなったNISAになります。
・つみたてNISA枠では金融庁が定めた条件をクリアした、長期投資に適したと言える投資信託を選ぶことが出来る
・成長投資枠では株式やETFなど幅広い銘柄を扱える

このような理由から投資初心者でも資産運用に適している制度と言えます。

2023年までは「非課税期間が5年間」「年間非課税投資枠120万円」の一般NISAと、「非課税期間が20年間」「年間非課税投資枠40万円」のつみたてNISAのどちらかで運用が可能したが、2024年以降は非課税期間が恒久化され、年間投資額も360万円(成長投資枠240万円、つみたて投資枠120万円)、累計の投資額は1,800万円と拡大し、より多くの金額で長期的かつ効率的に資産運用が出来るようになります。

税制優遇を最大限に利用しながら長期的に資産運用を行いたい人に、おすすめできる投資手法です。

iDeCo

iDeCo(個人型確定拠出年金)は個人年金に代表される制度で、掛金運用益含めて60歳まで受け取る事が出来ない老後資金に特化した制度となっています。特徴は次の通りです。

・月額掛金が5,000円から可能
・月額掛金上限が「自営業者→68,000円」「会社員→12,000~23,000円」「公務員→12,000円」「専業主婦(夫)→23,000円」と被保険者の種類によって変わる
・運用益だけでなく掛金も非課税対象

2階建ての公的年金にプラスして3階部分に位置するのが個人年金であるiDeCoです。個人年金であるため、自由に金融機関や投資商品を選択できるという特徴もあります。

老後資金に特化した資産運用を行いたい人にとっておすすめの投資手法と言えるでしょう。

変額保険

変額保険は、生命保険と資産運用を兼ねそろえた保険商品です。保険会社が利用者に代わって投資信託などで運用を行います。運用実績に応じて、解約時や満期金、保険金などが変動します。

また高度障害が残るような病気・事故や死亡時には保険金が支払われます。

変額保険には5年〜10年や60歳までなど期間が決まっている有期型と、解約しない限り一生涯保障が継続される終身型があります。

また、特徴として、

・運用中の運用益は非課税
・保険料が生命保険料控除の対象
・分散投資ができる
・投資信託などの純粋な投資商品に比べ、死亡保障などの費用がかかる分、運用コストが高くなります。
があげられます。
死亡時や高度障害が残るような場合の保障を確保しつつ、長期的に資産運用を行いたい人におすすめの投資手法です。

ただし、投資信託などで運用するので、絶対に収益があがるものではないのでしっかりと見極めが必要になります。

あなたに合った方法は?

このようにおすすめの資産形成でもその中身を確認していくと、それぞれの投資手法が持つ特徴が大きく異なります。

しかし、どの方法も非課税部分がある点や少額から投資が可能な点を踏まえると投資初心者でも取り組みやすいことは間違いありません。

この中からどれか一つを選ぶことも良いですし、運用資金に余裕があるのであれば併用して行う事もおすすめです。

この三つの投資方法を併用して行う事に対しては、特に法的な縛りはありませんのでぜひ検討してください。

まとめ

今回の記事では老後資金の準備としておすすめのiDeCo、NISA、変額保険の三つを紹介してきました。これから老後資金の準備としてどの投資を行っていこうか迷っている人がいれば、ぜひ今回の記事を参考にしてください。本文でも触れているように公的年金だけでは老後資金は十分ではないので早い段階から、投資による資産運用に取り組みましょう。また、自分自身で資産形成を行う自信がない人は、お金とライフプランのアドバイザーであるFPに相談することをおすすめします。

執筆者

小峰一真(こみねかずま)

2級FP技能士/証券外務員2種/住宅ローンアドバイザー| 明治大学政治経済学部卒業
所属:マイホームFP株式会社 

大手国内証券会社、外資系保険会社を経て、前職では独立系FP事務所に創業から携わっていました。資金計画作成、住宅購入相談、資産運用、保険相談など全般的に得意で、セミナー講師も担当しています。趣味はゴルフと読書、スポーツ観戦(横浜Fマリノス、明治大学ラグビー部を応援!)です。