「周りの30代は、株や投資信託をどれくらい持っている?」新NISAなどの普及で投資が身近になる一方、自身の立ち位置が気になる人も多いはず。最新調査から30代の保有額やリアルな資産内訳を解説する。
記事提供:Finasee(フィナシー)

「老後はまだ先のこと」、今は目の前の生活で精一杯という本音も聞こえてきそうな30代。
しかし、将来への備えは早めに動いた方が安心できるもの。同世代はどのように資産を増やしているのか。金融資産の状況に関する最新調査「家計の金融行動に関する世論調査2025年」(金融経済教育推進機構)の結果から30代の預貯金、株式や投資信託などの保有状況を見ていこう。
30代単身世帯が持っている金融資産は1位が「預貯金」で355万円だった。調査では預貯金について運用や将来のために備えている分のみの金額を尋ねているため、生活費などに使う日々出し入れする分は含まない。


30代単身世帯の資産構成は1位が「預貯金」(355万円)とメインを占めるものの、2位「投資信託」(110万円)と3位「株式」(96万円)を合わせた金額は約200万円に達している。これは定期性預貯金(91万円)の2倍以上であり、30代が将来の資産形成に向けて安全資産だけでなく投資信託や株式などのリスク資産を活用している姿が浮かび上がってくる。投資信託や株式には新NISAで投資しているのかもしれない。
また、生命保険や個人年金保険もランクインしており、併行して万一に備えている様子もうかがえる。
次に30代二人以上世帯の金融商品ごとの保有額をみていこう。


30代の二人以上世帯では貯蓄から投資へのシフトが進んでいるようだ。1位の預貯金(420万円)に対し、2位の株式(354万円)と3位の投資信託(175万円)の合計は500万円を突破しており、リスク資産への配分比率が極めて高い。中でも株式の保有額が投資信託の約2倍に達している点は新NISAの成長投資枠などを活用し、より主体的なリターンを追求する攻めの姿勢の表れかもしれない。
一方で、4位の「生命保険」(122万円)や5位の「個人年金保険」(81万円)といった保険商品も持っている。投資で資産の最大化を図る一方で、家族を持つ世帯として、保険による万一への保障という「守り」も重視している。30代世帯がバランスの取れたバーベル戦略を合理的に選択している実態が読み取れる。
株式や投資信託の保有額の多さには、30代という運用期間の長さを武器にボラティリティ(価格変動)を許容できる自信が表れているのかもしれない。
調査結果から30代は単身・二人以上世帯ともに、預貯金を守りつつ株式や投資信託を積極活用する攻守のバランスが取れた世代であることが分かった。特に二人以上世帯でのリスク資産比率の高さは、長期運用によるメリットを理解している表れといえそうだ。
現在の姿勢を維持しつつ、ライフステージの変化に備えたリバランスを定期的に行うことが必要だ。株式の保有比率が高い世帯ほど、相場急変時の生活防衛資金の確保が重要になる。新NISAなどの非課税制度を最大限活用しながら、数年以内に使う予定のあるお金と、10年単位で育てるお金を明確に色分けし、時間という最強の武器を味方につけて着実な資産形成を続けてほしい。
<調査概要>
調査名:「家計の金融行動に関する世論調査2025年」(金融経済教育推進機構)
調査時期:令和7年6月20日~7月2日
調査対象:【単身世帯】全国2,500世帯(20歳以上80歳未満で単身で世帯を構成する者)、【二人以上世帯】全国5,000世帯(世帯主が20歳以上80歳未満で、かつ世帯員が2名以上)
調査方式:インターネットモニター調査
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。