社会人として歩み始めた20代、将来のライフプランを具体的に描き始めるのはまだ先かもしれない。仕事も私生活も変化の大きい年代だからこそ、今の貯蓄や資産運用の状況が周囲と比べてどうなのか、気になる人も多いはずだ。最新の調査データから預貯金や株式、投資信託などに関する20代の最新の資産保有傾向と、その背景にある事情に迫る。
記事提供:Finasee(フィナシー)

20代の人の中には、同世代の人々がどの程度資産を持っているのかが気になっている人もいるだろう。そんなときに参考にしたいのが金融資産に関する調査「家計の金融行動に関する世論調査2025年」(金融経済教育推進機構)の結果だ。最新の調査から20代の預貯金、株式や投資信託などの保有状況を見ていこう。
同調査によれば、20代単身世帯が持っている金融資産は1位が「預貯金」(150万円)となった。なお、調査で定める預貯金とは貯蓄や将来のための蓄えを指し、日々の生活費として出し入れする分は含まない点に注意が必要だ。


20代単身世帯の資産構成は1位の預貯金についで2位が「株式」(101万円)、3位が「投資信託」(77万円)。両者を合わせると178万円となり、預貯金の150万円を上回る。このことから20代の単身者は預貯金だけでなく株式や投資信託など価格が変動する商品で資産形成を積極的に行っていることが分かる。年代的な理由からか、生命保険や個人年金保険での備えは少ないことも特徴だ。
次に20代二人以上世帯の金融商品ごとの保有額をみていこう。

20代が世帯主の二人以上世帯では、「預貯金」(275万円)がトップ。元本を確保する安全性と引き出しやすさの流動性を重視する目的から、資産形成のベースとなっていることが分かる。続いて2位「投資信託」(102万円)、3位「株式」(79万円)。両者を合わせると181万円に達する。新NISA等の普及も背景にあるのか、積極的な運用姿勢がうかがえる。インフレ時代を生きる20代は、増える可能性に期待した運用を意識しているようだ。
一方で4位という比較的高い順位に財形貯蓄(46万円)が入っているのは20代二人以上世帯のみ。20代、さらに家庭を持つという事情から職場の福利厚生をフル活用しているのかもしれない。総じて足元の生活防衛資金を確保しつつ、投資信託や株式などで成長性を意識した運用に注力しているようだ。
20代の資産状況は、単身・二人以上世帯ともに守りの預貯金を土台としつつ、投資信託、株式などを武器に攻めの投資を果敢に取り入れている姿がうかがえる。特に単身世帯で投資額が預貯金額を逆転している点は、若い層が長期投資の仕組みを理解し、時間を味方につけていこうとしていることの表れだろう。将来に漠然とした不安を抱くのではなく、自らの手で資産を育てる主体的な姿は希望そのものといえそうだ。
<調査概要>
調査名:「家計の金融行動に関する世論調査2025年」(金融経済教育推進機構)
調査時期:令和7年6月20日~7月2日
調査対象:【単身世帯】全国2,500世帯(20歳以上80歳未満で単身で世帯を構成する者)、【二人以上世帯】全国5,000世帯(世帯主が20歳以上80歳未満で、かつ世帯員が2名以上)
調査方式:インターネットモニター調査
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。