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企業型確定拠出年金で手数料の高い「アクティブファンド」を選ぶメリットって何ですか?

2024年1月にスタートした新NISAをきっかけに投資を始めた方、積み立て設定の見直しを行った方も多いことでしょう。投資への考えが整理され、関心も高い今こそ、「企業型確定拠出年金(企業型DC)」の運用にも力を入れてみませんか? 本連載では、企業型確定拠出年金にまつわる「今さら人には聞けない疑問」をピックアップして解説していきます。


※本コラムは、2024年11月公開当時の制度に基づいた内容です

記事提供:Finasee(フィナシー)



今さら聞けないギモン
調べてみると、企業型確定拠出年金にもパッシブ(インデックス)運用とアクティブ運用があるようです。長く運用を続けるのであれば、投資信託の運用中にかかる信託報酬も無視できないと思うのですが……。わざわざアクティブファンドを選ぶメリットってあるのでしょうか?

投資初心者に向けた情報では、手数料を考慮してインデックスファンドを選ぶことを推奨する情報が多いため、同様の疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

確かにコストだけを見ればインデックスファンドと比べてアクティブファンドは手数料が割高です。商品選びで検討すべきことも多く購入時の手間も増えます。

しかし、「より高い利益を狙う」場合にはアクティブファンドは有効な選択肢となるため、最初から「買わない」と決めつけてしまうのは少々もったいないことでもあります。今すぐアクティブファンドの購入を検討していない方も、メリットや選び方のポイントを知っておくことで今後の運用の可能性をグンと広げることができるでしょう。

また、企業型確定拠出年金においてはNISAと比べて対象商品が少ない分、初めてアクティブファンドを選ぶ方にとっても挑戦しやすい環境があります(もちろん、自分で多くの選択肢の中から選びたい! という方はその限りではありません)。
 
本稿では、インデックスファンドとの違いをふまえて、企業型確定拠出年金でアクティブファンドの選び方のポイントを説明していきます。

インデックスファンドとアクティブファ
ンド、何が違う?

両者の違いはリターンにおいて平均を目指すか、平均以上を目指すかという点にあります。平均以上を目指す上では調査や分析の手間が増えるため、その分信託報酬等のコストが多くかかる仕組みです。

インデックスファンド:特定の指数に連動する成果(平均)を目指す商品。ファンドマネージャーの手間が少ないため手数料は低いが、平均から手数料を引くと必ず平均には負ける。

アクティブファンド:特定の指数を上回るリターン(平均以上)を目指す商品。ファンドマネージャーの調査・分析の手間がかかるため手数料がインデックスファンドに比べて高めに設定されている。平均に勝つ場合もあれば負ける場合もある。

「平均を目指す」と「平均以上を目指
す」はどう違う?

それぞれの運用を、日経225をベンチマークとする商品を例にして考えてみましょう。
 
まずインデックスファンドの場合、ベンチマークである日経225に近い構成銘柄で運用して、その平均を目指します。一方アクティブ商品では、投資のプロであるファンドマネージャーが各企業を調査・分析した上で銘柄選択を行い、ベンチマークである日経225に勝つことを目指します。
 
日経225といっても個別に銘柄を見ていくと、100%よりもっと上昇する銘柄もあれば、数十%を超えて下落する銘柄もあるなど、大きく開きがあります。こうした成績の良い銘柄も悪い銘柄も、すべてを含めて「平均」を目指すのがインデックスファンドです。ここでもし「もう少し選び抜かれた銘柄に投資して、高いリターンを狙いたい!」と感じたのであれば、その場合はアクティブファンドも検討していくことになります。

アクティブファンド選び=運用会社選び

前述の通り、アクティブファンドは特定の指数に勝つことを目指して運用会社が銘柄を選んでくれる点が特徴です。ということは、アクティブファンド選びとはすなわち「運用会社選び」でもあるということ。

長期的に稼いでくれる(信頼できる)運用会社を選ぶためには、運営管理機関や運用会社が提供している資料や、インターネットなどで情報を集めることが欠かせません。情報収集の際は次のポイントを意識して見ていくと良いでしょう。



情報収集における注目ポイント
定量評価:過去のリターン実績を見る。信託報酬控除後のリターンやベンチマークとなる指数があれば、その超過収益率を見てコストパフォーマンスを確認する。コストの高さだけでなく、リターンからコストを引いた信託報酬控除後のリターンを見る

→ベンチマーク(またはインデックス商品)以上のリターン実績か?
→ベンチマークがない場合は、自分が目指すリターン水準と比べてどうか?

定性評価:今後のリターンが期待できるかを見る

→商品性(運用方針・投資対象・運用スタイル・コスト)はどうか?
→運用力(運用体制・運用プロセス)はどうか?

以上、アクティブファンド選びのポイントについて解説しました。

企業型確定拠出年金では運営管理機関により提供されている情報が十分ではないケースもあり、その場合は定性評価の難易度が高くなってしまいます。手元にある教材だけでなく、自分で様々な情報にアクセスすることが重要です。

「自分はやっぱり自信がないな……」という方はアクティブファンドを選ばないことも選択肢となりますが、せっかくここまで情報を集めたのなら、「ある程度の知識不足は開き直って少額から購入してみる」のも良いかもしれません。
 
まずは自身で情報収集できる範囲の情報で判断して少額からでも保有してみれば、経験が積めます。毎日でなくても、3カ月~半年に1回ほど運用成績や「なぜそうなったか」を確認することで、「こういう状況ではこう動く」という感覚が培われます。走りながら覚えた感覚を研ぎ澄ますことができれば、アクティブファンドを活用して「勝つ確率」を上げられるのではないでしょうか。

執筆者

ファイナンシャル・ウェルビーイング・マネジメント編集部

「ファイナンシャル・ウェルビーイング・マネジメント」は、事業会社の経営企画・人事部門向けの専門誌です。職場領域(職域)を通じた従業員への金融知識普及を目的とした、ファイナンシャル・ウェルビーイング・マネジメントに関する情報をお伝えします。
人事部門で「福利厚生・報酬・企業年金」等の実務に携わる方々の声を元に、従業員エンゲージメントの向上につながる「実用性の高い記事」を作成、掲載。人的資本経営への高度化に資する情報を届けています。