仕事にも慣れてきた30代の皆さんは、ふと周りが気になることはないだろうか。「資産形成は常識なのか?みんないったい、どのくらい貯めているのだろう」と。最新調査から30代の金融資産の傾向を見ていこう。
記事提供:Finasee(フィナシー)

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30代の人はどのくらい資産形成を進めているのか。全国の世帯主を対象に金融資産や家計の状況などを聞いた「家計の金融行動に関する世論調査2025年」(金融経済教育推進機構)から30代に焦点を当てた金融資産の保有状況を確認していこう。


同調査では、持っている金融資産の総額を尋ねている。ここでの金融資産とは、預貯金や保険、債券、株式、投資信託などを指し、日常的な生活資金は除外されている。 結果を見ると、30代世帯で金融資産を「持っている」との回答は77.5%にのぼり、実に4人に3人以上を占めている。そこで次に注目したいのが、その具体的な保有額ではないだろうか。
ひとくちに30代といっても、一人暮らしなのか、あるいは家族と暮らしているのかによって家計の状況は大きく変わるもの。そこで金融資産の保有状況を単身世帯と二人以上の世帯に分けて確認してみよう。まずは単身世帯の調査結果から見ていきたい。


30代単身世帯の金融資産の保有額は「100万円未満」と「100万~200万円未満」が20.9%で並んでトップ。全体の約4割が200万円未満の層に集中している。続いて3位は「500万~700万円未満」と「1000万~1500万円」未満が8.2%とこちらも同率で並んだ。
1000万円以上の資産を持つ層は合計23.2%となっており、中には3000万円超の層も5.0%含まれる。30代と若いこともあり、メインボリュームの金額帯からは資産形成を始めたばかりの人が多そうな印象を受ける一方で、1000万円以上も一定数いる。このことからは、若いうちから着実に資産形成に励んでいる層がいることが見てとれる。なお平均額は752万円、中央値※は255万円だった。
※数値データを並べた時に中央に来る値のこと
さらに30代が世帯主の二人以上世帯の金融資産保有額を見ていこう。


30代の二人以上世帯では、1位が「100万円未満」で15.4%を占める一方、2位には「1000万~1500万円未満」が11.4%でランクインしている。さらに5位には「3000万円以上」が9.6%と、約1割が3000万円以上もの資産を築いている実態が判明した。単身世帯と比較して世帯の人数が増える分、高額資産層の順位が底上げされているのが特徴だ。
しかし、3位の「100万~200万円未満」(11.0%)といった層も依然として上位であり、世帯間での差は大きい。30代は世帯によって子育てや住宅購入などのライフイベントが重なる時期だ。日々の支出やローンの支払いなどであまり貯められない層と資産を貯めて使っていない層との差が単身世帯以上に顕著に表れているようだ。なお平均は1337万円、中央値は500万円だった。
30代の資産状況は世帯構成を問わず「100万円未満」が最多である一方、1000万円超の層も一定数存在する。特に二人以上世帯では高額資産層の割合も増え、平均値と中央値の乖離も大きい。ライフイベントによる支出増に直面しながらも早期の資産形成を着実に行っている世帯の姿がうかがえる。
その真相は単なる年収の差ではなく、貯める仕組みを作ったかどうかの差であるかもしれない。仕組み化のポイントは目標設定にある。データにあるとおり平均値は一部の層が釣り上げているため中央値に着目しよう。単身世帯なら255万円、二人以上世帯なら500万円をまず目指してはいかがだろうか。貯めにくい人はライフイベントと資産形成を切り分けて考えたい。「月5000円でも生活費とは別の口座でNISA等に回す」などの仕組み化にチャレンジしてみよう。
<調査概要>
調査名:「家計の金融行動に関する世論調査2025年」(金融経済教育推進機構)
調査時期:令和7年6月20日~7月2日
調査対象:【単身世帯】全国2,500世帯(20歳以上80歳未満で単身で世帯を構成する者)、【二人以上世帯】全国5,000世帯(世帯主が20歳以上80歳未満で、かつ世帯員が2名以上)
調査方式:インターネットモニター調査
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。