少子高齢化による公的年金制度への不安が高まるなか、個人的に老後の資産形成を行って「自分年金」を作る人もいるのでは。その有力な手段の1つがiDeCo(個人型確定拠出年金、イデコ)だ。加入制限は少なく、メリットの多い制度だが、世の中の認知度や利用率はどれくらいなのだろうか。そこで今回はiDeCoに関する調査をもとに、気になる実態を見ていこう。ぜひみなさんが老後資金を考える際の参考にしてほしい。
記事提供:Finasee(フィナシー)
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iDeCoとは、自分で任意に加入して老後資金を積み立てる制度の愛称。投資信託などさまざまな金融商品のなかから何で運用するのかを決めて、毎月掛金を出して購入、運用成果は60歳以降に受け取れるという仕組みだ。フリーランスや自営業など特定の人向けの制度に見えるかもしれないが、一部の例外を除けば、基本的に20歳以上65歳未満の国民年金加入者は加入できる。
iDeCoの特徴はなんといっても節税効果だ。資産運用による売却益や分配金・配当金には通常20%程度の税金がかかるが、iDeCoの場合、制度の範囲内ならば税金はかからない。
さらに掛金には上限があるものの、掛金の分だけ所得控除が受けられるため所得税や住民税などの税負担を減らすことも可能だ。人によって条件は異なるが、たとえば年収600万円の人が毎月2万3000円の掛金を出す場合、年間で約5万5000円の税負担が減るというシミュレーション結果もある。
加入制限が少なく、メリットも多いiDeCoだが、実際に加入している人は多いのだろうか。今回参考にするのは家計診断・相談サービスを提供する株式会社400Fの調査。自社サービスのユーザー650人にiDeCoの加入状況を聞いている。
結果は「加入している」と回答した人が29.5%で、2024年7月の前回調査から6.2%上昇となった。
また毎月の掛金額は「1万円以上2万年未満」が37.0%と最多という結果に。「2万円以上3万円未満」が35.4%と続き、平均は2万1209円。またiDeCoとNISAを併用している人は90.6%にのぼった。
iDeCoで運用できる金融商品には投資信託のような価格変動リスクがあるもの以外にも、定期預金などリスクを取らず、実質的に掛金拠出による節税効果だけを享受することもできる商品もある。
実際にはどのような理由でiDeCoを活用している人が多いのだろうか。調査ではiDeCoに加入した理由も聞いている。
結果、「老後の資産を作るため」と回答した人が82.3%と最多となった。ほかにも「税制優遇を利用したいから」が59.4%、「低コストで運用できるから」が19.3%、などの理由で活用する人もいた。
iDeCoとNISAを併用する人はどのように使い分けているのだろうか。
調査によれば、「特に棲み分けを意識していない」と回答した人が35.6%と最多だった。一方で、「NISAは、まとまった資金をより早く投資するため」が33.9%、「NISAで、老後資金以外の目的でも使う資金を運用するため」が29.9%、「NISAで、iDeCoにはない商品を選択するため」が25.9%など、iDeCoとNISAで利用目的を分けている人が多数のようだ。
さてiDeCoとNISAを併用している人はNISAに毎月いくら積み立てているのだろうか。
調査によれば「9万円以上10万円以下」と回答した人が40.8%と最多、「5万円以上6万円未満」が13.2%と続き、平均は5万7227円だった。NISAのつみたて投資枠の場合、非課税で積み立てできる金額の上限は年間120万円。1カ月に換算すると10万円なので、節税効果を最大限享受したいと考える人が多いようだ。
先述の通りiDeCoの平均拠出額は2万1209円だったので、NISAの平均積立額はその約2.7倍ということになる。iDeCoの拠出限度額は職業などにより異なり、限度額が最も高い個人事業主でも6万8000円までとNISA(つみたて投資枠)に比べて低いので、その辺りも影響しているかもしれない。
いまだ未加入の人が多いiDeCoだが、なにがハードルなのか。調査結果では、「NISA・投資信託等、その他の投資商品にお金をかけているから」と回答した人が27.1%と最多だった。これはiDeCo以外の要因だが、一方で「制度についてよくわかっていないから」22.9%、「原則60歳まで引き出せないから」19.5%といった回答も見られた。
老後に向けた資産形成という目的からすると、引き出し制限があることはもっともだとも考えられるが、柔軟に運用したい人にとってはハードルに感じるようだ。またiDeCoに関心があっても、制度がよくわからないと加入を見送る人が依然として一定数おり、さらなる周知が今後の課題と言えそうだ。
<調査概要>
調査主体:株式会社400F
調査名:オカネコ iDeCoの利用意向調査2024年11月
調査対象:全国の「オカネコ」ユーザーの650人
調査期間:2024年11月6日~2024年11月10日
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。