定年が迫る50代。老後の生活をどう送るか、不安を抱える人もいるのでは。同年代がどのような悩みを抱え、老後生活と向き合っているかを知ることが助けになるかもしれません。最新の世論調査をもとに探っていきましょう。
記事提供:Finasee(フィナシー)
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全国5000世帯を対象に金融資産や借入金、家計の状況などを聞いた調査「家計の金融行動に関する世論調査2023年」(金融広報中央委員会)※から50代の回答を見ていきましょう。まずは「老後の生活についての考え方」について、単身者の回答からです。
※家計の金融行動に関する世論調査2023年(二人以上世帯、単身世帯、総世帯の各調査)
50代単身者の87.7%が「老後生活が心配」だと回答しています。内訳は「多少心配」が33.1%、「非常に心配」が54.6%となっており非常に心配が最も多い結果でした。二人以上世帯ではどうでしょうか。
50代二人以上世帯も、老後の生活が「心配である」と答えた世帯が82.3%と単身者とほぼ変わらない水準です。ただし心配であるとの回答の内訳は、二人以上世帯では「非常に心配」が43.8%と、単身者に比べて10%ほど下回る結果になりました。次に老後生活が心配な人の理由を見ていきましょう。まずは単身者からです。
50代単身者が老後の生活が心配な理由として寄せた回答の1位は「十分な金融資産がないから」で74.5%でした。2位は「年金や保険が十分ではないから」48.3%、3位「老後に備えて準備していない」33.3%と続きます。定年が迫っている50代でも金融資産に不安のある人が多いという結果でした。続いて、二人以上世帯はどうでしょうか。
50代二人以上世帯が老後を心配している理由として寄せた回答で1位となったのは「十分な金融資産がないから」で70.5%でした。2位は「年金や保険が十分ではないから」44.2%と、上位2位までは単身者と変わらない結果に。ただし単身者だと4位だった「物価上昇」を老後生活が不安である理由に挙げる人は多く、35.9%で3位になりました。
それ以外にも単身者とギャップが大きい回答がありました。「再就職などにより収入が得られる見込みがないから」で、単身者の17.1%に対し約9%下回る結果となっています。
老後の不安を解消する方法はあるのでしょうか。調査では「老後の生活を心配していない人」にもその理由を聞いていますので、ヒントを探っていきましょう。
まずは単身者からです。
老後の生活を心配していないと回答した50代単身者が、その理由として選んだものの1位は「年金や保険があるから」で40%でした。2位は「十分な金融資産があるから」33.3%。おおむね、心配な人とは逆の理由です。
一方の3位は「十分な金融資産はないが、老後に備えて着々と準備しているから」15.6%でした。結局のところ、老後に向けて十分なお金を用意できるかどうかが、老後生活への不安解消につながるようです。
ただ、老後不安でない理由の3位には「十分な金融資産はないが、老後に備えて着々と準備しているから」という回答も寄せられています。今現在は老後生活に不十分な資産額しか持っておらずとも、できるところから日々老後の準備を行っていくこと自体も不安の解消にもつながっていくのかもしれません。
たとえば準備の一環として、iDeCoの活用を検討してみても良いかもしれません。加入条件がある、一定の年齢まで取り崩せないといった注意点はありますが、掛金額が所得から控除されるため、所得税や住民税といった税金負担を減らしつつ老後資産を準備できる方法です。
さて、50代の二人以上世帯で「老後の生活を心配していない」と回答した人の回答理由も見ていきましょう。
老後を心配していないとの回答した50代二人以上世帯がその理由としてあげた1位は「年金や保険があるから」で45.9%でした。2位は「十分な金融資産があるから」39.8%と続きます。ここまでは単身者と変わりません。
異なるのは次の回答です。単身者では6位だった「退職一時金があるから」が25.4%で3位につけています。他にギャップが大きいのは「その他」が単身者より11%高い19.9%、「再就職などにより収入が得られる見込みがあるから」という回答も、単身者より約8%高い10.5%となっています。
逆に「生活の見通しが立たないほど物価が上昇するとは考えられないから」という回答を寄せた二人以上世帯は4.4%と単身者に比べて約9%下回る結果となりました。
厚生労働省の平均余命を見ると男性が81.09年、女性が87.14年といずれも80代を超えています(出所:令和5年簡易生命表)。60代に入ってからすぐ老後生活が始まると考えると、老後生活は20年以上続く可能性があるのです。
とはいえ、過度に老後生活を心配して気が滅入ってしまうのも考えものです。メンタルの不調が健康を害することにもなりかねません。
「老後の生活を心配していない」と答えた方々の理由を参考にしつつ、無理のない範囲で準備を進めてみるのが良いかもしれませんね。
<調査概要>
調査名:「家計の金融行動に関する世論調査2023年」(金融広報中央委員会)
調査時期:令和5年6月23日~7月5日
調査対象:【単身世帯】全国2,500世帯(20歳以上80歳未満で単身で世帯を構成する者)、【二人以上世帯】全国5,000世帯(世帯主が20歳以上80歳未満で、かつ世帯員が2名以上)、【総世帯】令和3年調査より二人以上世帯、単身世帯の調査方法が同一となったことから両調査の計数を合算する形で作成を開始した参考計表
調査方式:インターネットモニター調査
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。