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子供のお小遣いはいくらがベスト?親子で始めるお金の勉強

子供に渡すお小遣いの金額に悩んでいる人は多いのではないでしょうか?お小遣いのルールは家庭ごとに決めていると思いますが、ルールに自信を持っている人の方が少数派かもしれません。

お小遣いの金額は、お小遣いを渡すスパンやお小遣い額の計算方法、年齢などを総合的に考えることがポイントになります。また、親子でお小遣いのルールを決めると、子供のお金の勉強にもなります。

本記事では、お小遣いの金額を決めるときの考え方の例を解説していきます。ご家庭に合ったお小遣い額を決める参考にしてみてください。

お小遣いを渡すスパン

定期的にお小遣いを渡す場合は、お小遣いを渡すスパンがお小遣いの金額決定に影響があります。一般的に短期であれば少額ずつ、長期あればまとめて渡すことになるからです。

例えば、1ヶ月ごとに渡すケースと一週間ごとに渡すケースで比較すると、同程度のお小遣いにするには、1ヶ月ごとの場合は一週間ごとの4倍から5倍程度の額が必要です。もし、一週間500円のお小遣いをもらっていた子供の受け取りスパンを1ヶ月に変える場合、子供が同じ生活を送るには、お小遣い額を2,000円から2,500円にする必要があります。

なお、定期的に渡すには、子供がお金を計画的に使えるようになることが重要ですので、子供の年齢が低い場合は難しいかも知れません。子供の年齢が低い場合は、都度渡しながら、お金の使い方を保護者も一緒に考える方もあります。この方法ですと、保護者がお金の使い方を教えられるメリットもあります。

また、お小遣いを定期的に渡す場合は、お小遣い帳の付け方や、予算の組み方を教えると自分でお金を管理する練習になります。例えば、お小遣いの範囲では買えない高価なゲームが欲しいと子供が言ったとします。その時、「お小遣いから〇〇円貯めていけば、●●頃に買えるから、頑張ろう」のように、欲しいものを買うために計画的に貯蓄することを教える機会になります。

お小遣い額の計算方法

お小遣い額は、一定額のケースと変動的なケースがあります。代表的な計算方法は次の3つで、それぞれにメリットと注意点があります。子供が受けるお金に対する印象は、計算方法によって変わる場合がありますので、特徴を整理して検討してはいかがでしょうか。

  • 一定期間ごとに一定額の定額制
  • 家事の給与や好成績を収めたときに渡す報酬制
  • 必要な時に必要な額を渡すプレゼン制

なお、どれか1つに絞る必要はなく、基本的には定額制で状況により報酬制やプレゼン制を組み込むという方法もあります。

それぞれの特徴を確認していきましょう。

一定期間ごとに一定額渡の定額制

定額制では金額と期間を決めて渡しますので、次のお小遣い日までそのお金で過ごさなければなりません。そのため、お金の管理方法を覚えられるというメリットがあります。また、金額が決まっているため、お小遣いの予算管理がしやすい特徴もあります。

一方、お小遣い日が来ると、何もしなくてもお金が入ってきます。無条件でお金を得るため、お金が大切な物という認識が薄くなるかもしれません。

家事の給与や好成績を収めたときに渡す報酬制

報酬制は、家で働いたり、勉強やスポーツで成果を上げたりしなければお金が手に入りません。お金を稼ぐことを経験し、お金は大事な物という認識を持つ可能性があります。

ただし、成果をすべてお金に換算するような極端な仕組みにしてしまうと、お金のためにしか動かない人になる可能性があります。仕事として任せる範囲と、自分や家族のために行動することを明確に分けることが大切になるでしょう。

必要な時に必要な額を渡すプレゼン制

プレゼン制では、何のために・いくらお金が必要か説明しなければなりません。子供はお金を得るために、自分自身の考えを整理し、相手に伝える方法を学べます。

ただ、この方法では、お小遣いの額やお金の使い方の最終判断を保護者が行うことになります。子供の意見に対し、保護者が必要以上に指示をしてしまうと、子供の主体性が伸びない可能性があります。一方、子供の希望を保護者がすべて受け入れてしまうと、何でも簡単に手に入ると考えるようになる可能性があります。

どこまで受け入れるかの線引きは難しいですが、子供の主張をよく聞き、受け入れる場合も受け入れられない場合も、子供が納得するように話すことが大切かもしれません。

お小遣いは現金?電子マネー?

最近は、お小遣いの一部を電子マネーに入金する人もいるようです。電子マネーと現金の特徴的なメリットを整理しておきましょう。

電子マネーは履歴が残りますので、お小遣いの残金管理が簡単です。また、タッチ決済で購入できますので、硬貨を使いにくい小さい子供が買い物をしやすいのもメリットです。ポイントが付くので、お得感も感じるでしょう。

現金は物理的にお金の出し入れをするため、お金の増減が見てわかるのがメリットです。また、買い物時にお金と品物を交換するという経験から、金銭的価値を感じることができます。例えば、大きな数字の概念が分からない子供でも、100円を支払った商品と1,000円を支払った商品では、1,000円の商品の方が多くのお金が必要なものだと感じることができます。

なお、電子マネーと現金はどちらか一方を選択しなければいけないわけではありません。どちらか一方を使う、組み合わせて使うなど、活用方法は様々です。

お小遣い額はいくらにする?

お小遣い額は今まで紹介した、渡すスパンやお小遣い額計算方法と共に、子供の年齢や家庭の事情なども考慮して決めるのが一般的です。子供が小さい時は保護者主体になりますが、子供と話し合いができるような年齢であれば、相互納得するような金額にするのもいいかもしれません。

子供と話し合うときは、子供が欲しいと感じる金額と、保護者が必要だと考える金額で検討するのがポイントです。このとき、子供にかかるお金のうち、お小遣いで払うものと、保護者が払うものを明確にしておくのも効果的です。

例えば、文房具や衣類など子供の生活に必要なものをどこまでお小遣いで管理させるのか、スマホを持つようになったら通信費はお小遣いから支払うのか、親が支払うのか、こういった点も話し合ってみましょう。これによって渡す金額も異なります。

なお、一般的に年齢が上がると子供が望むお小遣い額も、自分で管理できる金額も増えていきます。成長に合わせて親子でお小遣い額の見直しが必要です。お小遣いの話し合いが金融教育にもなりますので、お互いの主張を相手にわかるように伝え、妥協点を探してみましょう。

お小遣いをお金の勉強のきっかけに

子供のお小遣いは、渡すスパン・金額の計算方法・子供の年齢などを考慮し金額を決めていくことが大切です。その時に、子供にかかる費用のうち、お小遣いで支払うのはどこまでなのかなど、家庭のお金の使い方をベースに決めていくことも大切です。

お小遣いは子供がお金の使い方を学ぶツールとしても有効ですし、お小遣いのルール決めは身近な金融教育にもなります。お金の勉強のきっかけとしても活用してみてはいかがでしょうか。

執筆者

黒川 一美(MILIZE提携FPサテライト株式会社所属FP)

大学院修了後、IT業界でセールスエンジニア・営業企画として働き、出産を機に退職。
家計を守る立場になり、お金との向き合い方を見つけるためFP資格を取得。
現在は独立系FP法人であるFPサテライト株式会社所属FPとして活動中。
3人の子育て中の母でもある。