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2024年のiDeCoはこう変わる!拠出限度額が引き上げ予定の公務員・会社員は注目度アップ!

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自身で老後資金を準備するのに役立つ制度です。拠出時、運用時、給付時の3つのタイミングで税制優遇措置を受けることができます。確定給付型企業年金がある会社員や公務員の方は、iDeCoの掛金額が他と比べて少ないと思われるかもしれませんが、2024年12月から掛金上限額が引き上げになります。今回の記事では、現在の iDeCo制度の改訂のポイントや、それに伴う注意点を紹介していきます。




加入者は増加中!

iDeCoの加入者数の増減を2021年3月末から見ていきましょう。2021年3月末には、加入者数は190万人で毎年約40万人から50万人が新規加入していました。2024年3月末時点では、加入者は328万人で2年間で138万人の増加となりました。2024年1月からは毎月約4万人が新規加入しており、順調に加入者が増えている状況です。

参考サイト
https://www.ideco-koushiki.jp/library
/pdf/number_of_members_R0603.pdf

2024年1月から新NISA制度(少額投資非課税制度)が始まり、生涯の非課税投資枠が1800万円(「つみたて投資枠」で年間120万円(月10万円)に加えて、「成長投資枠」で年間240万円の非課税投資枠)と大幅に上げられました。本来であれば、iDeCoではなくまずはNISAの非課税投資枠を使って、将来の資産形成を行おうと考える人が多くなり、iDeCoの加入者は伸び悩むのでは?と多くの専門家は考えていました。しかし実際はiDeCoの加入者は引き続き順調に増えています。つまり、制度にかかわらず資産形成に取り組む人が増えている、と言えるのではないでしょうか。

2024年の改訂のポイント

NISAの改正が注目されていますが、iDeCoも、2024年12月から制度改正によってiDeCoと企業型確定拠出年金(DC)の拠出限度額が見直されます。

現在、 iDeCoの掛金額は毎月5,000円が最低金額で、1,000円単位で金額を設定することができます。また、掛金額の上限は、公的年金の種類や企業年金の有無により異なっています。

現在の iDeCoの掛金額の上限
・第1号(国民年金)被保険者:個人事業主、フリーランス、学生などは月額68,000円
・第2号(厚生年金)被保険者:会社員は企業年金がない場合は月額23,000円、企業型確定拠出年金(DC)のみある場合は月額20,000円、確定給付型企業年金(DB)がある場合は月額12,000円
・第2号(厚生年金)被保険者:公務員は月額12,000円
・第3号(第2号の配偶者)被保険者:専業主婦、主夫は月額23,000円
上記の通り、会社に確定給付型企業年金(DB)制度のある会社員や、公務員の掛金上限額は、他と比べて少ないのですが、2024年12月からは現在の上限月額12,000円から月額20,000円に引き上げられます。

参考:厚生労働省資料
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite
/bunya/0000194194_00002.html

注意点は?

 iDeCoの掛金上限額が引き上げられることによるメリットもありますが、注意いただきたいこともあります。これはすべての方のiDeCoの拠出限度額が20,000円になるわけではないという点です。

各月の企業型確定拠出年金(DC)の掛金額とDBなど他の制度の掛金相当額と合算して、55,000円が上限となります。
計算方法としては、

iDeCoの拠出限度額(上限 20,000円) = 55,000円 - 企業型DCの事業主掛金額 - DB等(厚生年金基金、石炭鉱業年金基金、私立学校教職員共済など)の他制度掛金相当額

上記の計算を元に例を挙げると、各月の企業型確定拠出年金(DC)の事業主掛金額や、他制度の掛金にあたる金額の合計が35,000円以上ある方の場合は、その分iDeCoの拠出限度額は少なくなるため、注意が必要です。

しかし、公務員の場合は、企業型確定拠出年金(DC)はないため、20,000円が掛金上限額になると考えて良いでしょう。

iDeCoを上手に活用しよう

老後の資産形成において iDeCoは有効な制度です。拠出時、運用時、給付時に節税のメリットがあります。特に拠出時のメリットはNISAにはないものですので上手に活用していきましょう。

まとめ

2024年12月の iDeCoの制度改正により、掛金拠出額の上限が毎月12,000円までだった公務員などの掛金上限額が毎月20,000円まで引き上げられます。
これは企業型DCやDBなどの企業年金制度に加入している会社員の公平性を図り、iDeCoの新規加入者数を今後増やしていく目的が背景にあります。iDeCoの掛金上限額が増えることにより、税制優遇措置を受けながら老後の資産形成を行うことができます。対象になる方は是非、掛金の増額を検討してみてはいかがでしょうか。

執筆者

小峰一真(こみねかずま)

2級FP技能士/証券外務員2種/住宅ローンアドバイザー| 明治大学政治経済学部卒業 所属:マイホームFP株式会社 

大手国内証券会社、外資系保険会社を経て、前職では独立系FP事務所に創業から携わっていました。資金計画作成、住宅購入相談、資産運用、保険相談など全般的に得意で、セミナー講師も担当しています。趣味はゴルフと読書、スポーツ観戦(横浜Fマリノス、明治大学ラグビー部を応援!)です。