仕事や家事に追われて忙しい毎日を送っていて、もっともくつろげる場所であるはずの自宅が雑然としていて何だか落ち着かない。片づけたいけれど、モノがあふれていて何から手をつけたら良いかわからない。
そんな忙しい方のために、断捨離と家計改善は一石二鳥で行えるというちょっとお得な話をします。部屋も片づいて家計も改善できるなら、こんな嬉しいことはありません。今回は、そんな断捨離と家計改善の関係性についてご説明します。
このページの目次
そもそも断捨離とは何か?
断捨離とは、片づけの代名詞のような使われ方をしていますが、もともとはヨガの考え方からきています。片づけの方法論というよりは、むしろモノへの執着から解放されることに重点をおいています。
断捨離と聞くと不要なモノを捨てることだと思われるかもしれませんが、本質的には自分にとって必要なモノとそうでないモノを見極めることに重点をおいているのです。何でもかんでも捨ててモノを減らせばよいというのではなく、本当に自分に必要なモノだけを残すことが大切なのです。
モノが増えてしまう理由
忙しい毎日の中では、どうしても片づけは後回しになりがちです。買い物も時間に追われながらになり、まとめ買いをすることもしばしば。これではモノが増えるのも当然です。その原因をいくつか挙げてみましょう。
必要以上に買いだめしてしまう
生活必需品はある程度ストックしておくほうが安心ですし、いざというときに役立ちます。特売などで値段が安くなっていれば、ついつい買いだめしておきたくなる気持ちもわかります。
まとめ買いも計画的に行えばその分節約にもなりますし、買い物の時間も減らすことができて効率的です。ただし、ストックしておいたモノが期限切れになってしまうようではせっかくのストックも意味がありません。
衝動買いが多い
買い物はストレス解消につながることもあり、予定していなかったモノを買いたくなってしまうこともあるでしょう。でも、そういう時に買ったモノが使わずにずっと押し入れの隅に眠っているなんてことも多いのではないでしょうか?
同じモノものをつい買ってしまう
モノであふれた家の中では、必要なモノが見つからずに同じモノものを買ってしまうことがあります。本来なら買わなくてよいモノものを買ってしまえば、当たり前ですがモノはどんどん増えてしまいます。
断捨離に必要な心構え
自分にとって必要かどうかを考えるのは、簡単なようで実は少し難しい部分もあります。状況が変われば必要なモノも変化します。長い目で見ればいずれ必要になるかもしれないと考えるのは大切なことではありますが、時には決断をしなければなりません。
「いつか使うかもしれない」という気持ちを捨てる
この洋服もう何年も袖を通していないけど、いつかは着られるかもしれない、このブランドバックは若いときに自分へのご褒美で買ったから捨てられないなど、理由はさまざまかもしれませんが、1年を通して一度も使うことのなかったモノは、翌年も同様に使うことはないでしょう。
そんな時は思い切って処分しましょう。今はフリーマーケットやネットオークションなど、捨てるのではなく必要な人に使ってもらうことができます。少しでもそれが収入につながれば、処分したことも含めて家計にも心にも余裕ができます。もしまた必要になったら、その時はそれが本当に自分に必要なモノなのだと考えて購入を検討すれば良いでしょう。「いつか使うかもしれない」という気持ちは、断捨離には不要なモノなのです。
決めるのは自分であることを意識する
ここで忘れてはいけないのは、あくまでも自分にとって必要かどうかということです。他人から見たら無駄に思えるストックの生活必需品も、これがあることで自分に余裕ができてストレスなく過ごせるのであればそれは必要なモノなのです。
だからこそ、普段から買い物をするときにこれが本当に必要かどうかを考えるくせをつけることは大切です。慣れてきたら次は家計の無駄について考えることにもチャレンジしてみましょう。この支出は本当に必要なのかを考えることは、何よりも家計改善につながります。
断捨離が家計改善につながる理由
こうして見てくると、モノが増える原因は心の余裕と何らかの関係がありそうです。忙しさで心に余裕がなくなると、人は考えることをあきらめてしまいがちです。特にお金や家計のことは気持ちに余裕がなければ考えたくはないでしょう。
「こんなに忙しいのに心の余裕なんて持てない」という声が聞こえてくるかもしれませんが、たとえばまとめ買いについても、それが自分にとって必要であれば問題ありません。まとめ買いをしておくことで、買い物に行く回数が減らせれば時間に余裕が生まれます。それが少しでも自分の心の余裕につながるなら、それはあなたにとっては無駄ではありません。この「自分にとって」という部分が断捨離にはもっとも重要なのです。
冒頭で書きましたが、断捨離とは片づけの方法論ではなく、自分に必要なモノだけを選んで残すことを重要視しています。「必要なモノを買う=無駄なモノを買わない」ということです。
まずは、これが本当に自分にとって必要かそうでないかを考えるようにしましょう。この考え方により買い物をするときにも必要以上のモノを買うことはなくなり、必然的に家計改善につながることになります。
財布の断捨離も
そして、少し心に余裕がでてきたらお財布の中身も断捨離してみましょう。買い物のレシートやあまり使わないクレジットカード、そしてお店のポイントカード。パンパンのお財布ではどこに何があるのか分からず、買い物の時にストレスです。どれが自分に必要なのかを考えて整理しましょう。
財布の中身の断捨離ができるようになったら、一歩進んで自分の買い物の無駄を考えてみはいかがでしょうか。レシートを処分する前にチェックすることで、過去の思わぬ無駄遣いを発見し、次の改善に活かせるかもしれません。
簡単なことから初めてみよう
まずは自分に近いところから始めてみましょう。
たとえば普段あまり使わない引き出しの中身を開けてみて、1つずつ今の自分に本当に必要かどうか考えましょう。すぐに決められなければ保留にしておくのも良いかもしれません。その後、期限を決めて数か月保留のまま使うことがなければ必要ないモノだと判断して捨てるとかも効果的です。
自分のモノから始めていけば、断捨離に必要な考え方が身につくので、次は家族と共有のモノ、そしてモノを越した家計の断捨離へと進んでいけましょう。
部屋も家計もスッキリさせて、心に余裕をもって生活することは人生の豊かさに直結します。
執筆者
保泉 美砂子(MILIZE提携FPサテライト株式会社所属FP)
長く教材制作会社にて、校正や原稿作成など、お金とはほとんど縁のない世界で仕事をしていたが、数年後にやってくる夫の定年退職を機に、一念発起。
二人の子供たちに背中を押され、FP資格取得に向けて勉強を開始し、無事合格を果たすことができた。
FPとしてのステップアップを目指そうと考えていたところに、FPSの求人と出会い、即応募。そして、現在に至る。