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保険の入りすぎに注意! 平均から考える保険料の目安&払いすぎている場合の見直し方

保険に既に加入している人や検討している人にとって、「適切な保険料はいくらくらいか?」という問題はとても重要なポイントです。保険には様々な種類があり、加入者の状況によって適切な保険料は変わります。特に掛け捨てと呼ばれる保険や、資産形成を目的とした保険など保障内容以外の部分でも種類があるためしっかり検討した上で、適切な保険に加入しなければいけません。今回は保険の入りすぎに注意するための、平均の保険料目安と払いすぎている場合の見直し方を紹介します。

世帯年間払込保険料は平均37.1万円

自分が支払う保険料が適切かどうかを知るための目安として、一般的な平均保険料を知る事が基準となります。

公益財団法人生命保険文化センターの調査によると、2021年度の世帯年間払込保険料は37.1万円です。

月々の保険料の支払いは3万円程度という事が分かります。

生命保険に関する全国実態調査 (energia.co.jp)

この金額が多いか少ないかは、独身か既婚、子供の有無や人数など加入者の状況によって変わる事は否めませんが、一つの目安になる金額であることは間違いありません。

保険を選ぶ際は、世帯年間払込保険料を金額的な一つの目安として自分自身に必要な保障が適用されるタイプのものを選ぶようにしてください。

平均の支払い保険料から分かること

この章では上述した世帯年間払込保険料から分かる事について、項目別に紹介していくので保険を選ぶ際の参考にするようにしてください。

意外と高い

厚生労働省が発表した「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると2021年の全世帯の平均所得は514万円でした。所得に対する支払保険料の占める割合を見てみると5%を超えております。昨今の物価高も家計の支出に与える影響が大きくなっているので保険料支払いも「高い」と感じる事になりそうです。

年々下がってきている

意外と平均が高い保険料ですが、実は年々下がってきているという事実があります。
下降の平均推移を生命保険の観点から紹介すると、2012年41.6万円・2015年38.5万円・2018年38.2万円・2021年37.1万円です。

10年間で4万円近く保険料が下がってきている事実も一つの参考にして下さい。

世帯年齢によってばらつきがある

生命保険及び個人年金保険の加入率は、世帯年齢によってばらつきがあります。最新の加入率は89.8%ですが、一番加入率が悪い20代では70.2%で一番加入率が高い55歳〜59歳では94.8%となっており20%以上の差があります。30代から50代にかけて加入率が上がっていく事を覚えておきましょう。

貯蓄性のあるもの掛け捨てのものがある

生命保険には個人年金保険などある一定期間一定の保険料を払込むことで、60歳または65歳以降に定額の払戻金を受け取れる貯蓄性のあるものと、医療保険などのもしもの時に備えた保険の二種類があります。

上述した生命保険加入率89.9%のうち24.3%が、貯蓄性の高い個人年金保険の加入です。個人年金保険の払戻金の受け取り年齢は60歳が31.7%、65歳が30.7%、70歳以上が10.7%です。生命保険加入者の平均加入年齢が57.3歳となっている事を考えると、60歳〜70歳までに個人年金を受け取る事を目的として40代〜50代に個人年金保険に加入する人が多くなり平均年齢を押し上げている事が分かります。

生命保険に関する全国実態調査 (energia.co.jp)

自分に必要な保障が用意できているのか
確認してみよう

保険に入る際は自分に必要な保障がしっかりと用意されているかを、確認してみる事がとても大事です。

保険には、いくつかの種類があります。

・生命保険→働き手に万が一の事が起こったときの保障
・医療保険→病気や怪我での入院など突発的な費用負担の保障
・介護保険→介護が必要になったときの保障
・個人年金保険→生命保険の一種で貯蓄性が高く将来に必要になる費用に備えた保障

この他にも不慮な事故に備えた損害保険もあり、この中から自分自身に必要な保障がある保険を選ばなければいけません。

そして、これらの保険の中でも支払う保険料や商品によって細かい保障内容が変わってきますので、その部分もしっかりと検討し自分に必要な保障が用意できているかを確認して加入するようにしてください。

既婚者でお子様がいる場合

それでは具体的に既婚者で子供がいる場合の必要保障額がどれくらい必要かを計算してみましょう。

必要保障額とは自分自身に万が一の事が合った場合、一定の期間残された家族が必要とする費用の事です。

必要保障額を算出する際の基本的な計算方法は、「末子独立までの遺族の生活費①+末子独立後の配偶者の生活費②+別途資金③-収入見込④」となっています

それぞれの項目の目安となる計算方法は以下です。


計算方法

①現在の年間生活費×70%(末子独立時年齢-末子現在の年齢)
②現在の年間生活費×50%(末子独立時の配偶者の平均余命)
③教育資金、結婚資金、住居費用、葬儀費用、相続費用、予備費
④社会保障(遺族年金等)、企業年金、自己資産、配偶者の労働収入、生命保険等


具体的な数字は現在の状況によって変動していきますが、ここで紹介している必要保障額が支払われる程度の保険に加入することを一つの目安としてください。

独身者の場合

当然ですが既婚者や養う子供がいる場合と、自分一人の独身の場合では保険に入る目的が変ってきます。
自分に万が一の事があった時に、生活に困る家族がいない場合は自分が病気や怪我をした時に、自分が生活していく上でリスクとなる部分をカバーする保険に入る事がおすすめです。

例えば極端な説明をすると、死亡保障がついている生命保険ではなく、突発的な病気や怪我の入院で必要になる費用を保障してくれる医療保険などに加入する方が重要という事です。

病気や怪我をし働けない期間をどうやってカバーするかを考えて、保険に加入するようにしてください。

まとめ

今回の記事では、保険の入り過ぎに注意する事と適切な保険料の見極め方について説明してきました。

もし、自分が加入しているもしくは加入している保険料が払いすぎだと感じた場合は、今回の記事を参考にして見直しを行うようにしてはいかがでしょうか。保険はあくまでもしものために備える事を目的としているので、必要以上に払いすぎる事は注意するようにしてください。

また、自分自身で判断する自信がない人は保険とお金のアドバイザーであるファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。

執筆者

小峰一真(こみねかずま)

2級FP技能士/証券外務員2種/住宅ローンアドバイザー| 明治大学政治経済学部卒業
所属:マイホームFP株式会社 

大手国内証券会社、外資系保険会社を経て、前職では独立系FP事務所に創業から携わっていました。資金計画作成、住宅購入相談、資産運用、保険相談など全般的に得意で、セミナー講師も担当しています。趣味はゴルフと読書、スポーツ観戦(横浜Fマリノス、明治大学ラグビー部を応援!)です。