私は真由美(マユミ:41歳)、派遣で働いています。家族は夫の憲司(ケンジ:41歳、正社員)と子どもの澪(ミオ:14歳、中学2年生)の3人暮らしです。
公立の進学校を希望していた澪。ところが、最近「私立のA高校に行きたい!」と言い出しました。私立はお金がかかりそうで心配な私は、夫に相談しました。
できれば本人の希望をかなえてあげたいけど、私立ってお金がかかるよね?
学費で悩んでいるの?お金の事ならFPの僕にお任せだよ!
シロクマのFPだ!
お金の心配事があるみたいだね!よかったら話してみてよ。
私は真由美、それと夫の憲司。
子どもが私立高校に行きたいって言いだしたの。
公立に行くと思っていたから、お金のことが心配で。
教育費の心配?
貯金できればいいけど、お金が残らなくて。
節約を頑張らないといけないかな?
ポイントを説明するから、見直せるところを考えてみようよ。
まずは、家計の収支を教えて。
平均すると、こんな感じ。
相談者の収支
<毎月の出費>
住宅ローン 10万4,000円
通信料 3万2,000円
食費 8万5,000円
水道光熱費 3万5,000円
日用品費 1万5,000円
お小遣い、趣味娯楽 8万5,000円
塾 2万円
その他 1万円
生命保険、医療保険など 合計で2万9,000円
学資保険 毎月1万5,000円(子どもが17歳まで)
<その他の年間支出>
家具家電 15万円
被服費 15万円
旅行 70万円
塾の夏季・冬期講習 10万円
<車関係>
任意保険(車両保険付き) 3万円
車検 7万円(2年毎)
<住宅関連>
火災保険 5年間約25万円
固定資産税 12万円
家計の見直しのポイント
まずは、出費を減らすコツからだよ。
その後、お金を増やす方法を考えてみよう!
出費を減らすポイント
まずは固定費から見直そう
毎月決まって出ていくお金があるでしょ?
例えば、住居費とか、スマホの通信費とか。
契約が絡むから面倒だって思う人も多いけど、一回見直せばずっと支払いが減るんだ。
まずは、住居費を見ていこう。
賃貸であれば、家賃の安いところに引っ越す。
住宅ローン返済中なら利率の低い金融機関で借り換える、繰り上げ返済をする、など。
借換えってどうするの?
金融機関によって利率が変わるから、返済額が変わるんだ。
ただ、借り換えの際に手数料がかかるから、総額でどのくらい減るかチェックするといいよ。
銀行の借換えシミュレーションを利用すると比較しやすいね。
次はスマホなどの通信費。
スマホは格安スマホや、大手のサブブランドに替えると通信費が下がる場合があるよ。
それと、サブスク契約も確認してみて。使っていないサービスは解約してもいいんじゃない?
ただ、スマホって大手以外は相談できなさそうで心配。
今は店舗があるところもあるよ。
保険は、何かあったときの保障だから、自分たちにどのくらいの保障が必要かを調べるのが大事。
契約するときに必要って言われた金額で契約したはずだけど。
でも、保障額って状況によって変わるから、見直すのも大事だよ。
人生でお金のかかる時期とそうでもない時期ってあるでしょ?
それと、お金を保険で準備するか、貯金や投資で準備するかっていう問題もあるしね。
そういえば、病気やケガだけじゃなくて、車にも保険があるよね?これも見直せる?
車の場合は、車両保険、つまり車本体の保険を入れるかどうかで大きく変わるよ。
それと、車両保険を付けても「免責」と言って「修理してもこの金額までは保険を使いません」という宣言をすると保険料が安くなるよ。
免責を付けようかな。
変動費は削減できる?
毎月出費が変わる食費や水道光熱費、日用品費とか。
資産を効果的に増やすには?
投資に興味ある?
貯金より、長期投資の方が効率的にお金を増やせる可能性があるんだ。
つみたてNISAみたいに、少額から始めたいという人に向いた制度もあるから、興味があるなら調べてみて。
ただ、急な出費に耐えられるように生活費の3ヶ月分〜6ヶ月分のお金は貯金に残しておいてね。
投資はお金が減る可能性もあるから、貯金も大事。
無理なく、コツコツが大事だよ。
夫婦が選ぶ方法は?
説明した中で、できそうなものはある?
・利率が低い金融機関で住宅ローンの借り換え
・スマホ2台をサブブランドに変更
・一部のサブスク解約
・医療保険の保障額を日額1万円から5,000円に変更
・車の保険をネット保険に変更、同時に免責を付ける
・外食の頻度を下げる、ガス、水道、電気を節約する
・毎月1万5,000円をつみたてNISAへ
その結果、どのくらい出費を削減できるかというと……。
表1 家計見直しによる支出削減予測額
見直した対象 | 1ヵ月の減額分 | 1年間の減額分 |
住宅ローンの借り換え | 1万6,000円 | 19万2,000円 |
スマホ切り替え | 5,000円×2台分 | 12万円 |
サブスク契約解除 | 1,000円 | 1万2,000円 |
医療保険契約変更 | 2,500円 | 3万円 |
車両保険 | 1万円 | |
食費・水道光熱費など | 1万5,000円 | 18万円 |
1年間の削減額合計 | 54万4,000円 |
ライフプランシミュレーションで確認
図の水色が貯金、緑色がつみたてNISAの資産額だよ。
見直した後も生涯で約80万円不足するようだけど、かなり改善されているね。
今回は簡単に見直しができるものでこの効果だから、細かく見ていくともっと改善されるかもね。
執筆者
黒川 一美(MILIZE提携FPサテライト株式会社所属FP)大学院修了後、IT業界でセールスエンジニア・営業企画として働き、出産を機に退職。
家計を守る立場になり、お金との向かい合い方を見つけるためFP資格を取得。
現在は独立系FP法人であるFPサテライト株式会社所属FPとして活動中。
3人の子育て中の母でもある。