みなさんは理想のライフプランを実現するために、一体いくらお金がかかるのか考えたことがありますか?結婚、子育て、住宅購入、そして老後...人生にはさまざまな節目があり、そのときどきで必要となるお金。そんな人生のお金の悩みをFPたまるんがライフプランシミュレーションを使って解決してくれます。
僕は颯斗(ハヤト)、高校2年生です。小学校のときから飛行機のパイロットに憧れていて、航空大学校に進学希望です。
父:亨(トオル 50歳 建設会社で設計担当)に相談したところ、母:美香(ミカ 44歳 自営でWEB関連の仕事)とも話してくれたようですが、準備してくれていたお金が足りるかどうかわからないということでした。
そこで父の知り合いのFPさんに相談することになりました。将来のお金の勉強になるからということで、僕も同席します。父の知り合いのFPさんって、どんな人だろう…?
このページの目次
- パイロットになる方法は?
- パイロットを目指すにはいくら必要?
- シミュレーションをしてみよう
- 相談者情報
- シミュレーションの結果は?
パイロットになる方法は?
颯斗がパイロットになりたいって言っているんだけど、学費が足りるか心配なんだ。
今日はよろしく。
ところで、颯斗。
パイロットになる方法は知ってる?
パイロットになるには国家試験に受かることと、航空会社に就職することが条件だよね。
だから、具体的な方法は大きく分けて2つ。
(1)航空会社に就職して、働きながら試験を受ける
(2)試験に受かった後に航空会社に就職する
(2)はさらに2種類あって
a.パイロット養成コースのある大学に進学する
b. 大学2年(もしくは短大など)のあと航空大学校に進学する
だよね?
その中で、僕は(2)bのルートで航空大学校に進学を目指したいんだ。
じゃぁ、早速お金の話をしようか。
パイロットを目指すにはいくら必要?
(1)航空会社に就職して働きながら試験を受ける場合
独立法人学生支援機構が調査した平成30年度学生生活調査結果によると、
・私立4年制大学の学費は1年間で平均1,373,900円
・1人暮らしの生活費の平均は1年間で平均659,700円
学費平均と生活費平均を足して4年分にすると、約813万円※1だよ。
(※1 平成30年度学生生活調査結果よりFPサテライトにて算出)
(2)aパイロット養成コースのある大学に進学する場合
・4年間の学費で約700万円※2
・留学費用で91,581ドル(2~3年次で留学)
大学のパンフレットによると、留学するときは150万円の奨学金が使えるみたい。
2019年度入学者が大学に4年間で支払った額は約1,577万円だって。
平成30年度学生生活調査結果を参考にして生活費を約264万円※3だとしても、合計で1,841万円※4でしょ?
(出典:東海大学工学部航空宇宙学科航空操縦学専攻募集要項パンフレット、東海大学 学部・学科学費)
(※2 東海大学 学部・学科学費よりFPサテライトにて算出)
(※3 平成30年度学生生活調査結果よりFPサテライトにて算出)
(※4 平成30年度学生生活調査結果及び、東海大学工学部航空宇宙学科航空操縦学専攻学部案内よりFPサテライトにて算出)
(2)b大学2年(もしくは短大など)のあと航空大学に進学する場合
だから、私立大に2年間通ったとすると、
・大学2年間の学費平均2,747,800円※5
・航空大学校に払う金額は2年間で約520万円※6(寮に払う食費・水道光熱費の概算込み)
他に実費になるから変動はあるんだけど、国家試験代で10数万円や大学時代の生活費を約132万円※5など。ここまでの合計で約900万円。
航空大学校はアルバイトを禁止しているから、お小遣いも亨達が負担しないといけないんだ。
それと、航空大学校で学ぶのは24ヵ月なんだけど、入学の時期や研修スケジュールによっては期間が延びることがあるみたいだから、負担する期間も余裕を持って考えてね。
(※5 平成30年度学生生活調査結果よりFPサテライトにて算出)
(※6 航空大学校 学生募集要項、航空大学校Q&AよりFPサテライトにて算出)
シミュレーションをしてみよう
私立理系の学費位になるといいなぁって、学資保険と亨の会社の財形貯蓄で貯めているの。
亨と美香の収入や、支出をまとめたんだけど、これで合ってる?
収入と支出は合っていると思うよ。
じゃぁ、61歳から65歳は所得150万円でシミュレーションしてみるね。
相談者情報
<収入>
亨:年収650万円(ボーナス100万円を含む、定年60歳)
美香:年間所得200万円(65歳退職予定)
<退職金など>
夫:1,000万円
妻:iDeCoに毎月1万5,000円拠出
<貯蓄など>
貯蓄 400万円
夫の財形貯蓄 17年前から毎月3万円
つみたてNISA 2年前から毎月2万円投資
<保険>
学資保険 子供17歳で300万円受取
夫:定期保険 54歳まで2,000万円保障 月額約3,400円
妻:生命保険 保険金300万円 60歳払い込み 月額約6,000円
<毎月の支出>
家賃:管理費込み10万円 2年更新、更新料1ヵ月
食費:8万円
日用品費:2万円
水道光熱費:3万円
通信費:3万円
被服費:1万5,000円
お小遣い:
夫 5万円
妻 2万円
子 1万円
雑費:4万円
<年間支出>
家具・家電:10万円
旅行:50万円
シミュレーションの結果は?
グラフの色はそれぞれ次の予測額。
教育費を計画的に準備してきたこともあって、リタイア後も資金は足りそうだね。
・オレンジ:iDeCo
・緑:NISAと財形貯蓄
・青:普通預金
milize pro(ライフプランシミュレーション)
学費が足りるかどうかの話じゃなかったの?
それに、教育費の影響が後々出てくることもあるからね。
長い目で見ることが大事なんだね。
それと、進学や結婚みたいなイベントによる影響も重要。
今まで準備した分で颯斗の大学と航空大学校の費用は足りそうだよ。
リタイア後は貯蓄を取り崩すことになるけど、資金不足になることはなさそう。
売却のタイミングによっては、投資額より下がることもあるから、想定以上に下がったときは再度対策を考えないとね。
小学校からパイロットに憧れてたんでしょ?頑張ってね!
執筆者
黒川 一美(MILIZE提携FPサテライト株式会社所属FP)
大学院修了後、IT業界でセールスエンジニア・営業企画として働き、出産を機に退職。
家計を守る立場になり、お金との向き合い方を見つけるためFP資格を取得。
現在は独立系FP法人であるFPサテライト株式会社所属FPとして活動中。
3人の子育て中の母でもある。